元祖透明床 [Y.ケンネル・犬と住む家]
玄関書斎の上を見上げるとリビングの透明床が見えます。
大きな家ではないので、吹抜で床面積を無駄にできないと考え、また、ローコスト住宅であることから、窓もなるべく最小限の数で計画しました。
玄関に自然光を入れて、上下階の繫がりを作るため、また音や臭いは通さないけれど光と視線を通す方法として透明ポリカーボネートを使いました。
3階の掃き出し窓から入った光が、この縦穴を通って1階の玄関へ落ちて来ます。
建築模型屋時代にポリカーボネートを使う事が多かった事からその強度と割れない粘り強さを知っていました。
普通に合板の床を組むように根太を組み、しかし、根太ピッチは普通の床組よりも間隔を狭めて作ります。よくアクリルと間違えますが、アクリルは割れてしまうので使用出来ません。
さて、この透明床、2001年当時、ちょっと人気になり、色々な設計者に引用されました。
強化ガラスの床は昔からありましたが、樹脂板を思い切って採用したものとしては、かなり珍しかったと思います。
強化ガラスと違って、割れるリスクを考えなくてよいためディテールが安価で作れます。
石川淳建築設計事務所