SOHO住宅・家族の共同作業としての生活 [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
SOHO住宅は今日で最終回です.
「イエ」の形を表現したシンプルな住宅です.発表名「Y.SOHO」のYはお施主さまのイニシャルで、SOHOは実際に仕事スペースがあること以外に、家族の暮らし方を考えたタイトルです.
家族の生活をひとつの共同作業や仕事と読み替えるならば、その仕事を効率よく進めるには、お互いの意志の疎通が円滑にできなければなりません.
普通の事務所ビルなら、大部屋にパーテーションで仕切りをして、デスクでひょいと立ち上がると同僚たちとコミュニケーションができるようになっています.
この手法を小さな住宅の中に取り入れたいと考えて作った住宅です.透明な床や、天井の無い子供部屋など、アイデアを取り入れる目的はこの1点にあります.
SOHO住宅・入居後の写真 [Y.SOHO]
SOHO住宅への入居後の写真です.黒い床は小さな犬たちのお気に入りの昼寝スペースとなっています.濃い色は太陽光を吸収し暖かくなり、寒がりな小型犬には大好評です.古い家具や照明器具も空間にとけ込んでいます.
SOHO住宅・ロフトから1階も見えます [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
これが昨日のロフトの「三角形の穴」から見下ろしたところで、1階の玄関のところまで見下ろせます.
このようにこの家はどこからも、どこかしらにつながっています.
SOHO住宅・斜め天井のロフト [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
小さいですがここがロフト.天井が斜めに迫ってきていますので、床の仕上げは直接座りやすいようにカーペット敷き込みとしています.小さなお子さんの「隠れ家」でもあります.
正面の三角形の穴は1階から上がってくる階段につながっていてのぞき見ることができます.
お子さんが友達を連れてきては1階からここまで「ぐるぐる」と家の中を駆け回っているそうです.
SOHO住宅・ロフトへ [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
これはリビングの奥から小さなロフトを上がる途中から見返したところ.
正面に見える木目の壁は台所を仕切るパーテーションですが、端がスリット状に空いていて、リビングへ光が漏れるように考えられています.
SOHO住宅・リビング奥から [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
SOHO住宅の続きです.
リビングの奥から見返したところで、正面の窓には小さなデッキベランダが付いています.道路の反対側のアパートと目が合わないように黒い目隠し壁がついています.
天井から下がったペンダント式の照明はお施主様が前の住まいから持って来られた物で、この照明器具と古いテーブルなどが合うように全体の部屋のデザインをまとめています.
SOHO住宅・北の天窓 [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
奧へ進むとこんな感じで、木目のBOXに挟まれた空間になっています.正面に楕円の天窓が見えます.少しだけ見えている階段はロフトへ上る階段です.
正面の天窓のある屋根面は北側に傾斜していて、柔らかい光を部屋の奥に届けています.東の天窓からは直射日光が日時計のように入っていますので、2つの天窓はそれぞれ違う光を入れる役目を負っているのです.
SOHO住宅・東のまど・天窓 [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
2階のリビングから透明な床のある方を見返したところです.正面の窓はFIX窓で、東からの午前中の光が入るように配置されています.左上の楕円の天窓は子供室を照らしているもので、季節や時間によって、日時計のように家の中に光を巡らしています.
SOHO住宅・透明な床からお出迎え [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
昨日の写真から少し右へふった写真です.子供室への入り口が見えます.
この家のご主人にお聞きした話で、夜、仕事が終わって帰宅すると、奥様と小さなお子さんと飼い犬たちがこの透明な床ごしに二階から迎えてくれるのだそうです.それを玄関から見上げる光景がとてもお気に入りだと聞かせていただきました.
SOHO住宅・スキップしたリビング [Y.SOHO]
石川淳建築設計事務所
昨日の写真をちょっと退いて見たところです.
透明な床に白い階段が3段分あり、リビングの黒い床に上がります.
この段差分が1階の寝室の天井高さに余裕をもたらしています.
左の窓の外はデッキベランダで、すのこ状の目隠し壁が備わっています.
外観の黒い塀の裏側がこの部分になり、外観と内観に「黒色」のアクセントをもたらしています.