イエ型OUCHI-32でした [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
オウチ32、最終回です。
夜景の外観。
家を設計するとき、結構な率で外観からデザインします。
この場所に白い切妻のボリュームがころっと置かれていて、正方形の開口が緑の上に開いていて、そこに外の階段で上がって家に入る。
このイメージに向かって、室内に必要な部屋を平面的に、また断面的に納めていきます。
外観はそこに景色を作る行為ですので、そこを通り過ぎる人が、なんとなく振り返って微笑むようなデザインの住宅を作りたいと考えています。
竣工写真は今回は小川重雄さんに撮ってもらいました。
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東京都中野区でデザイン住宅の設計を中心に行っています。
シンプルな住宅デザインが得意でイエ型の「OUCHI」シリーズと箱型の「ハコノオウチ」を作っています。
外観は無駄の無い潔い形にこだわり、内部のプライバシーを考え抜いて窓の配置を行います。
また内部はスキップフロアや地下室、ロフトといった立体的な空間構成を取り入れ、都市の住宅ならではの厳しい敷地条件をクリアしながら自然採光と自然換気を獲得した住空間を提案しています。また、猫や犬と住む家や狭小住宅、旗竿敷地の住宅など、テレビ、雑誌等で紹介されております。さらに近年期待の高まるデザイン性の高い二世住宅への改築、増築、リフォームなども設計しております。
石川淳建築設計事務所
中庭の目隠しルーバー夜景 [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
外観の夜景、中庭のある東側からです。
目隠しルーバーは縦格子にしていて、正面に立たないと中が透けて見えないようにしています。
そうは言っても夜間は中で照明を灯しますので、ルーバーの隙間から少々透けて見えます。
隙間の寸法はいつも思案のしどころで、風が入るか、意匠的に良いか、透けすぎないか、とその都度考えて作ります。
今回中庭の上は天空ですが(中庭ですから当然ですが・・)夜間はそこから漏れる光が綺麗に見えます。
石川淳建築設計事務所
夕景 LED照明の善し悪し [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
OUCHI-32中庭のあるスキップフロアの家ですが、全部屋ご紹介しましたので、夕景の様子を少しだけ。
リビングのキッチン脇から中庭方向を見ます。
天井が高いので壁付けのスポットライトで天井を照らし、バウンド光で部屋中の照度をとります。
また、キッチンも手元灯を上から照らすのは難しいので、アイランドの腰壁カウンターの下に照明を配置しています。
最近はLED照明が増えましたが、やはりすべてLEDにできるほど種類がありません。
また、LED組込式の照明器具は、取り付け後に明るさを変えたくても球組込式で球交換出来ない物がほとんどです。
普通の電球や蛍光灯の器具を付けて、玉をLED球に交換すれば、初期の工事費も安く(なにせ器具代がLED器具より一桁安いです)住みながら自分たちにあった照度や色温度を選ぶ事ができます。
石川淳建築設計事務所
子供室 [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
子供室です。
まだお子さんはいないので、大きめの広い部屋にして多目的な場所を確保してあります。
最大3人くらいで使える広さだと思います。
白の置き階段は収納もかねますが、ここを上がって外へ出ると物干しスペースとなります。
そとはこのような感じ。
正面先は自転車置き場とプロパンガスの置き場です。
右側は隣地駐車場のため、目隠しの塀を建てています。
高さは2m未満として本物の木の塀を横スリットでしつらえました。
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寝室・天井高さ2.8m [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
寝室の中から入り口方向見ます。
天井高さは2.8mあります。
天井は高くとりたいですが、そうすると2階から1階への階段の段数が増えてしまいます。
段数がふえれば、平面的に階段に取られる寸法が増えるので、この場合は1階へ下りる階段の途中から寝室に入るようにしています。
さらに寝室へ入るとろこで1段下りています。
平面上の各部屋の階段への取り付きと高さの関係でだいぶスタディしました。
さて、夏場などは引き戸のドアを開けておけば、中庭が見えて、通気もとれるという考え方。
左のドアの中はウオークインクローゼットです。
こちらクローゼットの中です。
2.8m分の高さがありますので、ハンガーパイプも二段にしています。
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寝室・壁掛けテレビ取り付けアイデア [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
寝室の中です。
床は白のビニル床タイルで窓は高窓で外の人影が見えないようにしています。
黄色の椅子のあたりにベッドを置きますが、寝ながらテレビを見られる壁が無かったため、(ベッド正面の壁は引き戸がかぶるのです)部屋の入り隅に斜めに板を取りつけて、そこにテレビを付けるようにしました。
配線はこの板の裏側に設けていますので、テレビ取り付け後もスッキリ。
また、本棚も作り付けてました。
右の黒のノブを引くとウオークインクローゼットが現れます。
石川淳建築設計事務所
左子供室・右主寝室 [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
左は子供室で、窓は南向きです。右の黄色の椅子が見えている方は主寝室です。
子供室の窓の直下に土台が通っている高さ関係となっていて、1階の床はGLより少し低くなっています。
窓から外の物干しへ出やすいように階段を兼ねた収納箱を作って窓際に置いてあります。
子供室床はパイン材です。
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階段下トイレ [オウチ32・中庭のあるスキップフロアの家]
階段の下はトイレです。
1階に寝室がありますので、近くにトイレを、という形。
階段下は天井が斜めになってくるので、収納よりもトイレに向いています。
スペースの有効活用にはトイレがお勧め。
今回はご主人の身長が大きいので、高さを目一杯使うように階段裏は天井を貼らずに段板をそのまま出しています。また、床も1段下りるような形にしていて、少しGLより低い位置になるので、排水計画に気を使いました。
敷地は平らですが、周囲より少しだけ高い位置に建物を配置して、廻りの下水管のある道路よりもFLが下がらないように考えています。
ゲリラ豪雨で下水道から逆流なんて事も考えられる時代ですので、最下層のトイレは気を使います。
石川淳建築設計事務所