南側立面 [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
今日も金曜日。
金曜日や休日は設計した作品以外の違うネタをお送りしてますが、ハコノオウチ09兄妹の二世帯住宅の最終回、キリが良いのでお送りします。
外観夜景、南向きです。
以前、ここにあった既存住宅の時は1階リビングでうっそうと茂った樹木のためにあまり明るい居間ではなかったそうですし、設計のご依頼を頂いて、様子を見学に来た時も暗い印象でした。
新しく作る家は明るく暮らしていただくために足元から窓をとりました。
南側は現在駐車場ですが、将来建物がたつかもしれません。
また、北側の防火地域の境界線を逃げて、南に寄った配置にならざる負えなかったので、窓を大きめにして、もし南側に隣家が建ってしまっても十分な採光が取れるように大きめの窓配置としています。
ということで、ハコノオウチ09のご紹介は最終回でした。
石川淳建築設計事務所
夜景・完了検査のための塀の頭カット [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
内部をご紹介してきましたが、外観夜景です。
さて、タイトルの「塀」ですが、既存ではコンクリートブロック塀が1.5mほどの高さで廻っていました。現在建築基準法ではコンクリートブロック塀は支えの壁(控え壁)無しの場合は高さ1.2mまでとなっています。
そのため、塀の頭をカットして1.2m未満に修正し、さらに道路側はフェンスなどに取り替えました。
自分の敷地内の塀なら取り壊しも可能ですが、隣地との間に建っていたりすると相手方の了解が取れずに困ってしまうことも多々あります。
そのつど対策を考えますが敷地が大きいと、塀も長くて結構な工事費になり、本体の工事費を食われてしまって難儀するところです。
石川淳建築設計事務所
仕事コーナー・床はコルクタイル [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
こちら妹世帯のリビングの端にある仕事コーナーから見ます。
翻訳のお仕事をされているので、自宅はオフィス機能も必要との事で、色々アレンジ出来るように作り付けの造作家具などは作らず、持ち込みのデスクや棚を配置する予定です。
そのため、竣工写真としては空っぽの写真です。
右の壁に机を付けて使います。
こちら背面は書庫を持ち込む予定のスペース。
事務棚を数台入れて、書類の保管庫になります。
LANのボックスが壁についていますが、電柱からここに配線されて、ここから家中のモジュラーへ配線をしています。
ちなみに床は石川淳建築設計事務所としてはめずらしくコルクタイルです。
ご希望で採用しましたが、柔らかい感触が新鮮です。
石川淳建築設計事務所
2階リビング・ルイスポールセンのモザーペンダント [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
妹世帯の2階リビングダイニングです。
正面の柱筋交いの右から上がって来ます。
室内はご希望によりシンプルに壁付けのキッチンユニットを配置してワンルーム的な部屋です。
家でお仕事をされるため、左奥のスペースがお仕事のコーナーとして作られています。
いろいろと今後の使い勝手を自由にするために、キッチンもアイランド形のように部屋の中に出てくる形ではなく、壁付けのご希望を頂いた物です。
さて、ペンダント照明はルイスポールセンのモザーペンダントをお施主様から支給いただき取りつけました。
コードの根本を綺麗に納めるのがなかなか難しく、監督さんと私たちとで何とか納めました。
石川淳建築設計事務所
黒の階段 [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
妹世帯の階段は黒の塗装としました。
兄世態はササラ階段ですが、こちらは両側が壁に囲まれた階段で、最上段で90度振ってあがります。
階段の下は収納につかっていますが、階段を受ける「はり」の入れ方に思案するところです。
石川淳建築設計事務所
階段裏も使うウオークインクローゼット [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
妹世帯、寝室の壁の裏側のウオークインクローゼットです。
長さ3.4mのハンガーパイプを両側に設置、片側は二段になっています。
そして、階段の裏側は出来るかぎり収納として使えるように段型にして仕上げボードを貼っていません。
そのかわり、黒く着色してありますが、あくまで「階段裏」なので、粗野な板の表情が出ています。
石川淳建築設計事務所
廊下無く寝室からサニタリー [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
パウダーコーナー横の黒の引き戸を開くとサニタリーです。
洗濯機置き場と洗濯流しがあり、入って右側は浴室です。
左に折れて、さらに入るとウオークインクローゼットがつながり、天井には物干し金物を付けてあります。
お一人住まいを基本に考えた間取りですので、廊下から各部屋へ入る、というより「一筆書き」的に収納やサニタリー、寝室がつながり、無駄に廊下に割く面積を無くして単身者が効率的に使えるようにしています。
今回は浴室はユニットバスがご希望で、白いシンプルな物を選びました。
石川淳建築設計事務所
寝室内にパウダーコーナー [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
妹世帯の寝室のグレー色の壁裏側には黒く塗装した造作カウンターをしつらえました。
洗面器を設置してこちらでお化粧したり、ちょっと読書をしたりできるコーナーです。
コーナーは南に面して作りたいというご希望でレイアウトされています。
兄世帯側は寝室や洗面スペースは北向きですので、それぞれ違う個性の配置です。
石川淳建築設計事務所
製品ドアでは作れないドア工夫 [ハコノオウチ09 兄妹(きょうだい)二世帯住宅]
妹世帯側から共用玄関を見返します。
空いている開口先が玄関で、その先に兄世帯ドアが見えます。
さて、ドアを閉めたところ。
反対側を開けるとトイレが表れます。
トイレのドアと妹世帯の入り口ドアを引き戸で作り、でも階段側には引けないので、「引き違い」形にしてトイレドア側にだけカマ錠で鍵をつけました。
基本的にお一人住まいですので、部屋への入り口を人が通っている時にトイレのドアを開け閉めする「同時開閉」はない前提での設計です。
こうした変則的なドアの設計は既成品のメーカードアではありませんので、地味な工夫ではありますが、建築家設計の注文住宅ならではのものです。
さて、トイレの中は妹様のリクエストで濃い緑色の壁となっています。
石川淳設計では珍しい例ですが新鮮です。
石川淳建築設計事務所