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元祖透明床 [Y.ケンネル・犬と住む家]

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玄関書斎の上を見上げるとリビングの透明床が見えます。

大きな家ではないので、吹抜で床面積を無駄にできないと考え、また、ローコスト住宅であることから、窓もなるべく最小限の数で計画しました。
玄関に自然光を入れて、上下階の繫がりを作るため、また音や臭いは通さないけれど光と視線を通す方法として透明ポリカーボネートを使いました。
3階の掃き出し窓から入った光が、この縦穴を通って1階の玄関へ落ちて来ます。

建築模型屋時代にポリカーボネートを使う事が多かった事からその強度と割れない粘り強さを知っていました。
普通に合板の床を組むように根太を組み、しかし、根太ピッチは普通の床組よりも間隔を狭めて作ります。よくアクリルと間違えますが、アクリルは割れてしまうので使用出来ません。

さて、この透明床、2001年当時、ちょっと人気になり、色々な設計者に引用されました。
強化ガラスの床は昔からありましたが、樹脂板を思い切って採用したものとしては、かなり珍しかったと思います。

強化ガラスと違って、割れるリスクを考えなくてよいためディテールが安価で作れます。


石川淳建築設計事務所

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作り付けの書斎机 [Y.ケンネル・犬と住む家]

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玄関ホール内にある作り付けのカウンターです。

大工工事で押し入れの中段的な作り方で製作。
塗装を黒くしてしまえばディテールは気にならない、と、大らかな考え方で当時デザインしました。
しかし、大工さんが綺麗に作ってくれて、心配無用でした。

白の壁には上方のリビングからの光が下りてきています。
天井高さは低いところが2mピッタリ。高いところは4mちょっとあります。


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2階への黒の階段 [Y.ケンネル・犬と住む家]

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2階へ上がる階段です。(pentax67Ⅱ 中盤フィルムで撮影)


玄関ドアを開けた正面にあり、黒く塗装された階段ですが、ここからは2階へのみ上がる事ができます。
3階のリビングへは別にある白の階段を上がる必要があります。
登り切りの開口高さは1.1mほどでにじり口のようにくぐって入る形になります。

1階と3階は人間のエリア、2階は犬のためのドッグラン、というエリア分けをしているので、天井高さが低い事はかまわない、という考え方です。

さて、壁は施主の希望によりこの物件はEP塗装を施してあります。
そのため、好きなところで色の切り替えができましたので、このように黒の壁とする事ができました。


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竣工写真はAE-1で・玄関ホール [Y.ケンネル・犬と住む家]

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玄関ホールです。

玄関を入ると正面に黒の直階段(写真真ん中)がのび、左側(撮影のため立っているところ)が下足で使うパソコンコーナーがあります。
正面の白く明るくなっている奧に白い階段があります。

玄関床は初めて採用した墨入りモルタル。
タイルを貼るコストを削減しつつ、昔から建築で使われている表現を取り入れました。

さて、竣工写真は私が撮ったものですが、当時はまだデジカメ1眼が高価でしたので、高校生時代から使ってるCANONのAE-1というフィルムカメラです。これにトキナーの17mmをつけてiso400のフィルムで撮影です。
フィルムスキャナーで取り込んで、フォトショップでゴミ取りと補正を行っています。

デジタルと違った、フィルムの感じが懐かしい画像だと思います。

石川淳建築設計事務所


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縦に3連続した窓とドア [Y.ケンネル・犬と住む家]

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玄関側の桁行き方向の立面です。

幅1m、縦6mのスリット状に凹んだ形状を立面に彫り込み、そこに玄関ドア、2階木戸窓、3階木戸窓が連なるようにデザインしてあります。

窓はすべて既成品のアルミサッシュですが、玄関ドアだけは製作物でデザインしたいとの思いから、このようにしました。
凹ませる事で、ポーチの機能も少し持たせています。

さて、写真2階には小さな犬が写っています。

タイトルの「Y.ケンネル」のYは施主のイニシャル。
ケンネルは小屋とか犬小屋といった意味ですが、犬と暮らすためにマンションを処分して家を建てることを決めた施主のために1階と3階を人間用、2階を犬たちのためのドッグラン的な空間として設計しました。

石川淳建築設計事務所

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OUCHI のシリーズの原点 [Y.ケンネル・犬と住む家]

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「Y.ケンネル」はシンプルなイエ型の住宅です。

2001年当時は建築界ではシンメトリーなイエ型は避けられていました。
家を家に見せないようなデザインが主流で、色々複雑なデザインを施した住宅が建築雑誌を賑わしていました。

しかし、この住宅はそうはしませんでした。
室内は複雑な構成ですが、住宅に過剰なデザインは必要無いのでは?と当時考えて、シンプルな家型とし、窓も必要最小限としました。

当時は建築家の設計した家といえばガラス張りのスケスケの家が多く、「そんな家でくつろげるのかね?」と個人的に考えていたので、森林公園側には広く窓を取りましたが、隣家側には窓を少なくしました。写真の正面側も手前に隣家が建つので、景色を見る正方形の窓を1つだけつけました。

また、工事費もスタート時1500万円という事もあり、一般的なディテール(建築家の凝ったディテールでなく)で構成し、窓材も既成品を使う必要もあり、そして、なにより「フリープランの建て売り」の契約ですので、「簡単に施工できそう」に見える外観が必要でした。



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処女作・Yケンネル [Y.ケンネル・犬と住む家]

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今日からは2001年竣工の私石川淳の独立のきっかけとなった単独設計処女作「Y.ケンネル」をUPしてゆきます。

石川淳ブログでは設計した住宅完成写真を随時UPしてきましたが、タイミングを逃して最初の作品であるこの家をブログアップしていませんでした。

石川淳建築設計事務所は2002年設立ですが、このY.ケンネルは2001年竣工です。
設計事務所に勤めながら内職で設計し、勤めながら完成を向かえて雑誌発表しました。

偶然勤めていた事務所を辞めるタイミングで雑誌発表されて、それをご覧になった方々から設計のご依頼が入る様になり、今の石川淳建築設計事務所へつながります。

敷地は公共の森林公園を背景にしたひな壇状の分譲地で、お施主様はここをフリープランの建て売りの契約で購入していました。設計者を連れてきてデザインしてもよい、という寛大なビルダーさんの判断から、私が設計をする事が許されました。

OUCHIシリーズの元になった住宅デザインです。


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