リビングへ上がれない犬用リビング [Y.ケンネル・犬と住む家]
黒の階段を上がってくると左下の引き戸を開けてこの空間へ出ます。
ここは半層上がった3階リビングで1mほどの段差があり、直接上がる事はできません。
犬たちの動線と人間の動線を分ける提案をしている家ですので、ここが犬用のリビング、半層上が人間用リビングという訳です。
家主が留守の間や犬が苦手な客人が訪問した時など普通の家の場合どこか一部屋に犬たちを入れてしまうのが一般的と思います。
ここでは人間用のリビングへ上がって来れない犬用リビングをつくり段差をつける事で「いつも一緒にはいられるけれどもお互い離れても暮らせる」場所を作っています。
やんちゃな犬たちなので家主の留守中にいたずらをしたがるのですが、2階にいれておけば、キッチンや大事な品々へのいたずら防止になるように、とも考えいます。
石川淳建築設計事務所
雑誌表紙で有名になった写真 [Y.ケンネル・犬と住む家]
Y.ケンネル、昨日の写真の撮り位置とほぼ同じ場所から撮られた2002年発売の雑誌PENの写真です。
表紙に採用されて、手前味噌ですが、有名な写真となりました。
PEN編集者さんから、当時新建築の住宅特集をご覧になって、取材オファーをいただき、熱心に取り扱って頂いたのを覚えています。
撮影当日は編集者さん自ら現場立ち会いで来られて、さらにカメラマンさんや我々用におにぎりやお茶などを大量に買ってカートで引っ張ってきてくれた想い出があります。
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白と黒と光の空間 [Y.ケンネル・犬と住む家]
白の壁はEP塗装で、お施主様希望からクロスではなくEP塗装としています。
EP塗装ではクロスと違って色々な色を塗れます。
私が建築を学んだ早川邦彦建築研究室やその後勤めたインターデザインアソシエイツでは、色々な色を使う作風が一つの特徴で、「色」が持っている特性、効果などを沢山学んでいました。
自分一人で作品を設計するにあたり、今まで学んだそのままの建築ではなく、もっとシンプルに基本にもどろう、という気持ちがあり、「色」ではなく「白」の対局である「黒」を使う事にしました。
さて、写真の空間は玄関の上にあたる部分で、黒の玄関から2階へ上がる階段を上から見下ろす位置になります。天井の透明ポリカーボネート板の上は3階のリビングで、窓からの光がここ2階まで落ちて来ています。
写真奧には木塀で囲まれたバルコニーがあり、犬たちが逃げ出すことなく外の空気を自由に感じられるように部屋とつないでいます。
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白と黒と塗り分け [Y.ケンネル・犬と住む家]
2階の犬たちのエリアです。
写真のここの住人の犬「ミニピン」を写真に撮って等身大のパネルにして立てかけて撮影しました。
床と壁は白く、黒に見切れているのは1階から2階へ伸びる階段室です。
犬のエリアへの道筋と人間のエリアの道筋を明解に塗り分けようと考えて、一番正反対の白と黒の塗り分けとしました。
こちらは先の写真で犬が立っている場所の先から手前を撮った写真です。
開口先の明るく黄色っぽい光のさしているところは人間用の階段室で、そおから、この場所が垣間見れるようになっています。
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透明床下のコーナー [Y.ケンネル・犬と住む家]
写真はあいかわらず2001年に35mmフィルムカメラで撮影したY.ケンネルです。
ここは玄関の上の2階部分。
左の外が見えるところが玄関上に繋がる木戸で、開放した状態の写真です。
黄色の椅子の上は白く塗った木の根太がポリカーボネートの床をささえています。
右の白壁の裏側は玄関横のパソコンコーナーの吹抜です。
寝室上の2階から見た玄関上木戸のところ。
天井高さは階段下の部分は1mほどに下がっていて、ここは「人間」はくぐって、犬たちには高い天井高、といった感じです。
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2階は犬専用エリア [Y.ケンネル・犬と住む家]
2階の犬たちのエリアです。
天井高さを1.75mと控えめに(施主の身長が170センチくらいです)して、3階部分に高さを割り当てています。
犬たちはこの2階へ入れておけば自力で1階、3階へは移動できません。
白のビニル床タイルはコストを抑えるためと、犬たちがいたずらをやらかしても掃除が楽なように採用しました。しかし、この白の床仕上げが綺麗なことから、このあと続く作品郡に使うようになりました。
正面の窓は寝室の吹抜の窓で、ここから寝室を見下ろします。
こちらは同場所を1階から見上げたところ。
小型犬の胸の高さまで手摺り壁があるようなデザインです。
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犬洗い用に洗面 [Y.ケンネル・犬と住む家]
Yケンネルのサニタリーです。
寝室に直結しているサニタリーで、ご夫婦二人の家だからこそ出来る間取りです。
主にシャワーですませるとの事で、手前に洗濯機スペース、小さな浴槽、窓に向かって洗面台が備わります。
洗面台は、オーバーハング型の洗面器と実験用流しの二つを取りつけました。
小型犬の体を洗いやすいように考えて、実験流しを洗面器と別に取りつけ、水栓も「ひじ」で使える実験室用を採用しています。
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隣地の建築を見越して寝室は高窓 [Y.ケンネル・犬と住む家]
寝室の高窓です。
1000万円代の家ということもあり、窓は既成品サッシュを使っていて、高窓も最も安く入手できる引き違い窓を使っています。換気用には手の届く位置に勝手口があり、そちらを網戸の組み合わせで換気窓として使用します。
設計時、完成時の時点では隣地が空き地で、何か建ちそうな雰囲気でした。
そのため、窓をどうするかだいぶ検討しました。
結果、隣りに何か建っても目が合わず、きにならないように高窓として、空と木々だけ見えるようにしました。
こちらは寝室の吹抜の奧側。
壁の向こうはクローゼットで、横に勝手口ドアが見えます。
左の黒のドアはサニタリー入り口。
床はカットパイルのカーペットで、犬たちもツメが引っかからないく、音を吸収してくつろげる空間を提供します。
さて、写真がフィルムのISO400の35mmリバーサルですので、少々暗めに写っています。
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ワンちゃんお立ち台のある寝室 [Y.ケンネル・犬と住む家]
寝室は1階にあり、2階のワンちゃんエリアと吹抜で繋がっています。
直接行き来が出来ない事がポイントで、犬たちは上から見下ろすのみです。
もちろん、1階へ連れてきてあげる事もできますが、2階へ放してあるときは犬たちはここまで、見に来ることができます。
天井高さは低いところで1.9mで高いところで4mあります。
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天井低い廊下をくぐり抜けて寝室へ [Y.ケンネル・犬と住む家]
Y.ケンネルです。
ご夫婦2人と犬2匹のための住宅で、プランは思い切って作っています。
1階の天井高は2mほどと低く、その分を2階、3階へ振り分けて、全体で2階建て程度の高さに3層をいれてあります。
写真は玄関から寝室へ進む廊下部分で、低い天井を抜けると吹き抜けた寝室へ出ます。
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