横連窓で仕事中の気分転換も [ハコノオウチ11・O-Factory]
1階が工房のハコノオウチ11です。
今回、「仕事中も外の様子が見られるようにしたい」というご希望がありました。
見学に伺った以前の工房は窓が無く、出入り口のガラスドアが型硝子で明るさはわかるものの、外の景色は見えませんでした。
新工房は閉じこもった感じにせずに、外の天気や道行く人や車も見えるようにして、尚かつ外からは見えすぎない開口という与条件から、アルミサッシュの滑出し窓を横に並べて窓を作りました。
外観の特徴の横ストライプのデザインはこの窓のご要望と外のヒサシのご要望から導き出した意匠なのでした。
石川淳建築設計事務所
木造で大きな空間を作りコスト削減 [ハコノオウチ11・O-Factory]
ハコノオウチ11 O-Factory です。
工場建築は鉄骨造で無柱空間を作る方法が普通です。
しかし、鉄骨造は当然木造よりも割高のため、ここでは木造で作っています。
新築前にお使いだった工房を拝見したところ、工作機械を壁際に何台か配置して作業をされていました。
それなら、機械と機械の間には耐力壁や柱があっても間取り上問題がなさそうな様子。
そこで、構造を木造軸組にして柱筋交いを壁にそって配置して、「普通の木造軸組」として空間を解きました。
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1階の工房と事務休憩スペース [ハコノオウチ11・O-Factory]
1階は大きく分けて3つのエリアに分節されています。
一番大きな工房の部分が正面で、右は事務エリア兼社員さんなどがお昼の休憩を取れるようなスペース。
写真に写っていないさらに右奧にストックルームがあります。
事務休憩スペースには小さな内庭があり、大型のワンちゃんのための足洗い場などがります。
今まで住まわれていた工房は、やはり1階が工房で2階が住まいでいらしたのですが、面積が少ないため、事務スペースは無く、ストックルームにはちょっと離れたトランクルームまで台車を押して往復されていました。
ワンちゃんも以前の時は「工房に住んで」いましたが、これからはワンちゃんの住まいも庭付きになり、広くなります。
さらに、新築によって1箇所に機能が集約できて効率UPできそうです。
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木製大型親子扉 [ハコノオウチ11・O-Factory]
工房の内側から見たドアです。
木製の親子扉でガラスを入れた框戸です。
大きさから、スチールで作る方が楽ですが、工事費圧縮の工夫として木製ドアで作っています。
それもあって、ガラスの厚みが厚くなると重量が重くなりすぎ木では支えられない、と言うことで無目を入れてガラスを4枚に分割しました。
親扉は通常はFIXドアとして固定して、子扉側を通常のドアとして使います。大きな機材の出し入れの時のみ親扉を内開きして大開口を開きます。
親扉は大きさと重さから下枠に戸車をつけて床に重さを逃がしています。
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住戸入り口 [ハコノオウチ11・O-Factory]
住戸入り口です。
1階が工房で背の高い工作機械を入れるため天井が高くなっています。
当然、2階への階段の段数が増えます。
その解消のためと入り口付近のデザインの要素としてコンクリートの外階段を4段作っています。
仕上げはモルタル金ゴテです。
高さを上げすぎないようにして手摺りを省いてスッキリさせました。
玄関ドアは集合住宅用の物を使用。
シンプルなタイプで、防火戸の中では価格もお値打ち。
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イエ型の開口壁 [ハコノオウチ11・O-Factory]
玄関正面です。
建物全体としては工房・工場としてのデザインですが、2階は住居なのでイエとしての顔も欲しいと思い、ポーチの開口をイエ型にしました。
灰色の階段を右に上がると住宅部分の玄関ドアがあり、正面の観音開きのガラス戸が工房の入り口です。
イエ型開口の左上部分の外壁は外側に開くようになっていて、背の高いプレス機などを工房に入れる時に引っかからないようにしています。
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長い庇を外観デザインに取り入れ [ハコノオウチ11・O-Factory]
建物の外観の特徴は長い庇(ヒサシ)です。
雨の日でも軒下空間で作業ができたり、物の仮置きができる事などのご要望から、連続軒を建物の外観デザインに取り入れています。
高さが高めなのは、トラックをパーキングに入れた時に頭がぶつからないように、との理由です。
庇の先端には雨樋がつきますが、それが美観を損なわないように黒の幕板を取りつけてデザインを整えています。
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小川重雄さんの撮影 [ハコノオウチ11・O-Factory]
今回のハコノオウチ11は写真家の小川重雄さんによる撮影です。
7年近く前になりますが外壁に白のガルバリウムを使ったA-annexの撮影も小川重雄さんでした。
見比べていただけると面白いかも知れません。
A-annexの記事アドレス
http://jun-ar.blog.so-net.ne.jp/2010-02-03
外壁は白のガルバリウム鋼板 [ハコノオウチ11・O-Factory]
今回の外壁は面積が大きいことから全部をモルタル系で施工するのは工期が長くなると判断してガルバリウムの角波にて設計しました。
当事務所で白の角波板を使用したのは2009年完成のA-annex以来ですが、白のガルバリウムという点では2003年完成のO.Landという住宅が白のガルバリウムです。
横長の外観に合わせて窓や庇を水平に伸ばして、外壁角波は縦方向につかっています。
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ハコノオウチ11・O-Factory [ハコノオウチ11・O-Factory]
今日からはハコノオウチ11・O-Factory をUPしてゆきます。
計画は1階に工房、2階が住まいという木造建築で、お施主様は革細工を作るための「道具」を作る会社を営むご夫婦です。
以前、あるテレビ番組を見ていると革細工道具づくりの会社さんが出ているのを見ました。
欧州の老舗メーカーがみな使っている道具という事で感心していたところ、その道具作りをしているご本人からの設計ご依頼でした。
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