千歳船橋清掃工場 リサイクルギャラリーという名の回廊 [千歳船橋清掃工場]
1990年に早川邦彦建築研究室にて担当した千歳船橋清掃工場
建物前の回廊から見上です。
この回廊は接道面の歩道と並行して長さ150mほどあります。
道路対面の区民プールや公園に面することから、大きな清掃工場と街並みのとの干渉地帯としてデザインされています。
設計当時、早川氏にこの回廊のアイデアを考えろと言われ、試行錯誤したのを憶えています。
格子状の回廊の上に本体と同じヴォールト屋根を乗せる意匠はそれなりに早く決まりましたが、ここにどんな機能を持たせるか、が問題。
キーワードに「リサイクルギャラリー」という言葉を思いつき、ゴミの減量を啓発する情報表示やベンチや公衆トイレ、公衆電話(携帯はまだまだ高値の花でした)を設置する案を提案しましたが、清掃局が管理する上でトイレや公衆電話はNGという事に。
しかし「ギャラリー」という方針は良いという事になり、清掃工場の情報をここで展示するような場所になりました。
基本設計時は格子の素材は未確定でした。
スチール材をイメージしていましたが、その後手を離れた後にコンクリートの格子が選ばれたようです。
コンクリートだと細いかなと思いましたが、なかなか良い選択です。
清掃車の出入りする車路の上だけスチールの格子が残りました。
コンクリートだとちょっとスパンが大きすぎ。
石川淳建築設計事務所