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擁壁のある敷地・東京都では割高工法 [公園前の家 OUCHI-44]

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敷地の公園側には高低差2mほどの擁壁(ようへき)があります。
コンクリート製ですが、かなり昔に作られた物で、構造計算書や設計図がありません。
そのため、基本的には「擁壁は壊れる事がありえる」という前提で建物を設計します。

この場合、上段に建物を作るわけですが、擁壁の高さと安息角から割り出した深さより深く杭か基礎を作る必要があります。

東京都の場合は安全条例に「杭基礎」という文言があり、一般的な柱状改良でもよいという記載が無く、高価な杭工事を行わなければなりません。それに対して東京都隣接の川崎市や横浜市では柱状改良を認めています。

横浜市や川崎市の方が崖地の宅地が多く存在していると思われますが、地盤の強化の方法も東京都よりも選択肢が多いのでしょう。

しかし杭と柱状改良では100万円以上は工事費に差がありますから施主としては大きな問題です。
今回の計画では、その分土地の値段が周辺相場よりも安いことから購入に踏み切っていますが、建築や不動産に詳しくない素人の人が擁壁がらみの土地を購入するには擁壁に対しての注意が必要なところです。


石川淳建築設計事務所
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